ALSの方の訪問に入る前に読む講座

区分5 支える仕組み★

No.08 支える制度とチーム

最後の単元は、さらっと読んでおく制度の話です。細かい計算は覚えなくてよく、「どんな制度があるか」「誰につなげばいいか」だけ分かれば十分です。
目次
  1. 第0章 前提知識
  2. 第1章 お金と訪問看護を支える制度
  3. 第2章 チームの誰が何を担うか
  4. 確認問題

第0章 前提知識

① 指定難病医療費助成 :ALSなど指定された病気の医療費を軽くする制度

所得に応じて自己負担の上限が決まります。

② 重度訪問介護 :見守りも含めて、長い時間そばにいる介助を行う障害福祉サービス

介護保険の訪問介護とは別の制度です。

③ レスパイト :ご家族が休むための、一時的な入院・入所の仕組み

介助を担うご家族の負担を軽くするための制度です。

第1章 お金と訪問看護を支える制度

内容は大きく3つです。

① 指定難病医療費助成 さらっと

ALSの治療にかかる医療費は、指定難病医療費助成という制度で軽くなります。 人工呼吸器を使っている方は、所得にかかわらず自己負担の上限が月1,000円という目安があります(2026年10月時点、出典:東京都福祉局)。

② 介護保険と重度訪問介護の組み合わせ さらっと

ALSは、40歳以上であれば介護保険(第2号被保険者)の対象になる病気(特定疾病)です。 基本は介護保険が優先で使われ、それで足りない分を、障害福祉の重度訪問介護で上乗せする形が取られます。

重度訪問介護は、体を動かす介助だけでなく見守りも含むのが特徴です。 入院中でも、意思を伝える支援のために重度訪問介護を使える仕組みが広がってきています。

③ 訪問看護の公費事業・レスパイト さらっと

訪問看護の回数が多く必要な方には、一定回数を超える分を公費でまかなう事業があります。 ご家族が休むためのレスパイト(一時入院・在宅での一時的な支援)の仕組みも用意されています。

お金の面は指定難病医療費助成、介助の時間は介護保険+重度訪問介護、ご家族の休みはレスパイト。

第2章 チームの誰が何を担うか

内容は大きく3つです。

① 主治医・看護師 必ず覚える

主治医は治療の方針や指示書を出し、看護師(訪問看護)は医療的なケアと、医師の指示のもとでの判断を担います。 No.02・No.03で出てきた「医師の指示」「看護師との連携」は、ここにつながっています。

② 相談員・機器業者 さらっと

相談員(相談支援専門員)は、どの制度をどう使うかを一緒に考える役目です。 機器業者は、呼吸器や意思伝達装置(No.05)といった機械の調整・修理を担います。

③ ヘルパーの役目と、制度の質問は相談員へ 必ず覚える

ヘルパーは、このチームの中で長い時間ご本人のそばにいる役です。 体や気持ちの変化(No.06)に気づいて伝えるのも、このチームの一員としての役目です。

制度の使い方や金額についてご家族から聞かれても、ヘルパーが答えを決める必要はありません。 「それは相談員に聞いてみましょう」とつなぐのが、安全で正しい対応です。

チームには主治医・看護師・相談員・機器業者・ヘルパーがいる。制度の質問は相談員につなぐ。

確認問題

問1 ご家族から「レスパイトってどう申し込むの?」と聞かれた。どうする?

問2 40歳以上のALSの方が、介護保険と重度訪問介護をどちらも使えると聞いた。基本の考え方は?

出典:東京都福祉局「難病医療費等助成」https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/nanbyo/portal/seido/josei.html /厚生労働省「重度訪問介護の対象拡大」https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001146854.pdf /日本ALS協会・箕面市ガイドライン